プロジェクトは何にフォーカスするべきか

はじめに:状況認識と意見の共有

石田さんたちとの議論を通じて、現状の一部が明確になり、今後何を考えるべきかを再整理する機会となりました。内容を振り返りつつ、佐藤さんから方向性や認識の誤りがあればお伺いできればと考えています。

三つの軸:ユーザー・企業・マッチングの観点からの現状と課題

本質的に重要な要素は三つあると認識しています。

です。
今回はこの三点を軸に、改めて現状と課題を整理し、相談させてください。

ユーザー獲得:初動の強みと継続利用への課題

大学や強固な連携を築いており、初期ユーザー獲得には他社にはない強みがあります。
今後も継続した学内セミナー(エンジニア職セミナー・大学でのキャリア形成セミナー)の開催により、新規の学生会員は安定して上昇が見込まれます。
また学生の獲得数は学内セミナー実施数に影響されるため、学生セミナーの実施数の伸びをどのように実現するのかは検討が必要です。

一方で、再訪率・継続利用率に課題が残ります。
初回の利用はセミナー内で行われますが、その後の再訪問比率が高くないように見受けられます。
なぜ再度利用に至らないのか、学生の獲得という強みをいかすためにも早急に施策を講じるべき優先課題と考えています。

以下の二つを区分して、前者はユーザー獲得で議論し、後者はマッチングの領域で議論したいと思います。

1. 2回目の訪問・ログインがない
メール等の通知や利用の動機づけが上手くいっていない可能性があります。
この件に関しては、セミナーとの連携・連続性をどのように設計するのか、というではと考えています。

例えば、以下の形です。

2. ログイン後の機能の利用やエントリーが行われない

まとめ

新規獲得に関しては、現在も課題は少ないですが、今後も「セミナーの実施数(と参加学生数)」をKPIとしてモニターしていけば良いと考えています。
セミナー後の再訪問以降の各種指標は今後、以下の内容について改善が必要です。

以下はメモです。

企業獲得:有料求人の獲得と対応の模索

企業の掲載数は現在段階では昨対比で上回っていますが、最終着地がどのような状況になるのかは不明です。

年度 4月 5月 6月
26卒 - 32 77
27卒 80 107 133

26卒の有料・無料比率を考えると、有料でどこまで伸ばせるのか、無料掲載は増やすべきかを決める必要があります。

掲載企業数.png

仮に有料受注が伸び悩むと仮定した場合の要因としては以下の形でしょうか。

また無料掲載の方針検討が必要です。
単純に無料掲載企業を増やしたとしても、エントリー数上限はある程度規定されるので、一社当たりの応募数は減少する可能性があります。
その場合に、無料掲載企業の目的をどこに設定するべきなのでしょうか。

1. サイトとしての最低限の社数確保
確かに最低限の社数は必要ですが、最低限が何社なのかという問題があります。

2. 無料企業で、有料掲載企業の応募効果寄与
例えば大手有名企業の無料掲載を集めるならば、それら企業で初回エントリーを獲得し、アクティブになった学生をその他の企業に誘導することができるかもしれません。
未エントリーのユーザーを1エントリーさせるよりも、既にエントリー体験があるユーザーを追加1エントリーさせるほうが簡単です。

3. 翌期の受注先候補
無料で掲載をしていただいて、来期に有料企画の再提案を行う形です。
一方でエントリー数が少なく、顧客の効果実感がない場合に有料提案ができるのか疑問が残ります。
「無料掲載 × 一定効果」という形が必要であれば、今期無料掲載企業に対して「一定のエントリー」が実現できるのかの検討が必要です。
また社数は多ければ総エントリー数は伸びますが、一社当たり平均エントリー数は低下し、社数を絞ればエントリー数は減りますが、一社当たりエントリー数は増えます。
「無料企業を増やすことと、翌期の受注先候補にする」のは直接的な連続性はなく一定の応募効果が不可欠です。
無料企業を限定的にして「少ない企業数で(相対的に)高い応募効果をあげて、その数値で翌期に有料提案する形」とどちらが良いのかの検討が必要です。

4. その他
もちろん他の目的で無料企業を掲載する可能性もあります。

マッチング:訪問とエントリーの最適化戦略

最終指標である「エントリー数」が前年比で大幅に減少しており、このままでは企業の翌年のリピート率が低下するリスクがあります。
過去データでいうと、24卒は6月で全体の応募の90.1%、25卒で全体の応募の97.7%を占めます。

年度 6月 7月
24卒 90.1% 93.4%
25卒 97.7% 99.1%

仮に26卒も同じような比率になると仮定すると、24卒の比率(比較的多めになる)を当てはめると、3926エントリーになります。

年度 6月 翌3月 昨年対比
24卒 6584 7310
25卒 9261 9478 +2168
26卒 3537 3926(予測) - 5552
chart.png

検討としては以下のものがあります。

です。

年度に関しては方針をお伺いするとして、26年度の効果アップはかなり厳しく、27年度に関しても年内で40%程度のエントリーが決まるので、27年度の早めのシフトのほうが適切ではないかと思われます。
具体的な施策に関しては、基本的には以下の二つの指標をそれぞれ改善します。

まずはどの数値が想定よりも落ちているのかの検証が必要です。
以下は単純化した図ですが、それぞれの数値を左右する指標があるので、それらを把握して、まず想定との乖離をみたいです。

スクリーンショット 2025-08-03 17.38.59 (1).png

ユーザーのサイト訪問の喚起に関しては、ユーザーとの接点はメール(もしくはアプリからのプッシュ)が中心となるため、どのような工夫を行うことで数値が改善されるのか、具体的な施策の検討が必要になります。

訪問したユーザーのアクションに関しては、各指標を確認しつつ、動線の変更、サイトの機能やコンテンツの追加が必要になります。

まとめ

全般的な内容となりましたが、各点について認識の違いがあったと思います。
それらをすり合わせながら、必要に応じて修正しつつ進めていければと思います。