求人広告サービスを、エージェント的に

概要

求人広告サービスを人材紹介的に見せる方法論に関しての検討です。

実際のところ、求人広告を"人材紹介サービス的に見せる"ことは、単なるデザインやトーンの工夫にとどまらない、体験設計(UX)全体の再構築に関わってきます。

なぜ広告サービスをエージェントサービスに

なぜ広告サービスをエージェント的に見せるかという問いに関してはいくつか目的があると思っています。

1. 他の新卒サービスとの差別化要素

ナビ的なサイトと比較した時に、サイトに対するロイヤリティが構築される可能性があります。

また、新卒エージェントと比較すると少ないマンパワーでの運営ができるかもしれません。

2. 応募ハードルの低下

エージェントでの申し込みと、広告での自主応募では、前者のほうが応募ハードルが圧倒的に低く、エントリーが増えやすい特徴があります。広告モデルでありながら、エージェント的な低い応募ハードルを実現できるのであれば、優位性があります。

具体的な方法論

1. 機能・UI面での「人材紹介的要素」

(1) コンサルタント紹介やコメント表示

不動産仲介サイトのように、第三者(=専門家・担当者)が登場し、求人情報を"人が推薦している"ように見せる形です。(※以下はあまり良い事例ではありませんが...)

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(2) 求人カードや詳細ページでの「人が介在している印象」

例:「○○コンサルタントがこの求人をおすすめ」など。

これは"信頼感"よりも、"相談できる安心感"を与えるUX要素として配置を行います。

求人広告自体は企業主体の情報提供なので、両者ともに第三者視点での情報提供をどのように設計するのかが重要です。また企業理解も必要になります。

2. コミュニケーション設計(メール・コンタクト)

(1) 一対一風のパーソナルコミュニケーション

「ワントゥーワンマーケティング」的手法で、メールを"人が個別に送っている"ように演出する形です。

例:件名や文面を「担当の○○です。先日ご覧いただいた求人ですが…」の的な文面

(2) 接触時の印象操作

もし以前のように営業がコンタクトする機会があれば、その電話内の説明で「人がフォローしてくれる」印象を与えることができます。

3. サイト全体のコンセプト(ブランディング)

(1) トップページで「人」を全面配置

トップにスタッフ写真を配置し、"人を介した支援"を想起させる形もあります。

(2) エージェントサービス的な"顔"を作る

「求人サイト」ではなく「あなたに合う仕事をご提案します」という文脈で訴求する形です。

(3) 応募ハードルを下げる

「相談」「興味あり」「詳細希望」など、直接応募より低いステップを設けることで応募率を高める形です。

まとめ

求人広告を「人材紹介っぽく」する狙いは、信頼・共感・行動率(応募率)向上とします。

やはり最大の効果は「応募ハードルの低下」であり、これはUIコピーの工夫にとどまらず、サービス構造のリデザインテーマになります。

「誤認させる」を狙うのではなく、"体験の再設計"として自然に導くことが理想と思われます。