フリーワードの検索方針
概要
「フリーワード検索をどのような形で導入するのか」という問いの前に、「フリーワード検索は何の目的のため導入するのか」という問いが必要になります。
フリーワードが得意な領域
フリーワード求人が得意な領域は以下の領域です。
- ニッチな求人の発見性を高める
- エリアや業界での検索では希望に合致した求人を表示できない
- ユーザーは希望の条件が明確である
これらの特徴は、以下のような状況で有用なサービスです。
- 探せない程に求人が大量にある状況
- ユーザーが条件が明確な状況
勤務エリアが限定的で求人数が大量にある場合には、Indeedのような検索形態が向いていると思います。
一方で、就活サイトにおけるフリーワード検索の用途は、多くのケースで有名企業の社名検索ではないでしょうか。つまり、学生が指名応募をしない企業の場合、検索でその企業に到達することはなく、あまり意味を持ちません。
もう一つは、ニッチな分野での検索です。研究キーワードのような特定の語句で検索する場合がこれに当たります。ただし、専攻情報が求人票に直接記載されていれば問題ないものの(例:流体力学など)、意図しない文脈で使われていると検索が機能しないことがあります。
現在のコグナビが導入している「専攻」や「実習」での検索は、関連性をあらかじめ定義しておくことで、単純なキーワード検索以上の検索結果を表示する形です。
改めてフリーワードの目的
コグナビに必要な検索のあり方は、絞り込むのではなく、1つのキーワードから多様な求人を表示する形です。
前回の話の中でも出ていた、例えば「医療系→命を活かす」といった転換は、絞り込みではなく、拡散の形です。
目的を「検索キーワードに限定せず、キーワードに関連するワードも含めてユーザーの検索希望に合致する求人を表示する」という形になるのではないかと思われます。
実装方法
1. キーワードの関連性の算出
特定のキーワード「A」に対して、関連度の高いキーワード群を意味ベクトルを用いて算出します。
これにより、意図的に関連語を提示できる類似語検索が可能になります。
2. 実装手順の流れ
- キーワードリストの作成
- 各キーワードのベクトル算出
- 専攻情報とキーワードの紐付け
- 求人情報・レジュメ情報から代表的な文言を抽出
- 検索時にキーワードリストをサジェストとして活用
3. 期待できる機能
この仕組みにより、以下の機能を同時に実現可能です。
- フリーワード検索(見た目はフリーワード、裏ではタグ検索。indeedと同様の動作。)
- 人気タグの表示